[本当に怖い話]不気味なプレゼント、捨てられた人形の話




今回のお話しは、出来れば一つ前の話を見てから読んでもらうと良いかと思います。

[怪談]とても不気味な戻って来る人形の話

それでは・・・

とある日の事、地下アイドルのライブ&握手会。

そのアイドルを熱烈に応援していたNさん。

アイドルSさんと握手してプレゼントを渡そうと思って、かなり前から楽しみにしていました。

そして当日、ライブも終わりアイドルSさんと握手、そしてプレゼントを手渡す。

「私の大事なものなんです。Sさんのそばに置いてあげて下さい。」と言葉を添えて。

そのプレゼントはNさんが昔から大事にしていた人形で、自分と同じように大事にしてもらえれば嬉しいなと考えていました。

イベントの後も、なんだか気持ちが抑えられずSさんの後をつけて家まで行っちゃおうと言う事に。

そこまでするとストーカーですよね。

けど、もう気持ちは抑えられず、そもそも自分が昔から大事にしていた人形をプレゼンとするなんて、その時点でそれなりに考え方がおかしくなってるのではないかと思う。

で、その日の尾行は上手くいき、Sさんが住んでいるアパートを突き止める事が出来ました。

この日、Nさんはこれで満足して自宅に帰ります。

ですが、Sさんの家を知ったNさんはじっとしていられずに次の日には早朝からSさんの家に行こう!

そう思い立ちSさんの家へ。

でも、家と言っても少し離れたところで見ているだけなんですがね。

すると、Sさんが慌てた様子で部屋から出てくる。

片手に自分がプレゼントした人形を持って。

「あっ!私の人形!!」

出かける時に一緒に持って行くなんて、よっぽど喜んでくれてるんだ!

そう思って大喜び。

すると、Sさんはアパートのゴミ置き場に人形を置いて、そしてカバンから携帯を取り出す。

その時Sさんには友達からの電話。

Sさんは友達と話始めるとそのまま駆け出して行った。

Nさんは

「あっ人形忘れて・・・」

そう声が出るも、隠れている所からそんな小声で聞こえる訳も無く。

そこでNさんは考えた。

今日Sさんは何処に行ったのかは分からないし、今から追いかけても追いつきそうにない。

それじゃぁと言う事で、忘れられたその人形を部屋に戻しておこうと考えたのです。

そして、人形を持って部屋に行く。

もちろん、部屋には入れない。

けれど、何処かに放置と言う訳にはいか無いのでどうしようかと考えて思いつく。

もしかして、どっかに鍵隠して無いかな?

結構一人暮らしの人って鍵を無くした時とか、知り合いの為に鍵を隠してたりするもんだよね。

そんな訳でちょっと探してみる。

自分が隠すなら、簡単に考えると植木鉢の下とか消化器の下とか、他に郵便受けの内側にテープで留めてたり・・・あった!

見つけたその鍵で部屋に侵入。

でも、特に何をするでも無く、人形をタンスの上に置いて部屋を出て鍵を元の位置に戻す。

これで、OK!

あまりいつまでも、近くをウロウロしてると怪しまれると思い、その日は帰宅。




次の日も朝からSさんの家に行ってしまう。

前日の事もあり、家でじっとはしてられない。

すると、またSさんは人形を持って部屋を出る。

今度はゴミ袋を持ってるようで、そのゴミ袋のゴミ捨て場に捨てて学校に向かう。

Nさんはそのゴミ袋が気になり、Sさんが去った後何気なく見ると、自分が渡した人形がチラッと見えた。

なんで、ここに人形が?

慌ててNさんはゴミ袋から人形をとりだす。

何かと間違えて袋に入った?間違って捨てたのか?

分からないけど、とりあえずまたその人形を持ってSさんの部屋に入って行く。

鍵の位置は分かっていますからね。

今度はすんなりと部屋に入れたので、少しくつろぎながら・・・そして人形を手に少しベットで寝てしまう。

学校に行ってるならしばらくは帰って来ないとでも思ったのでしょう。

寝たと言っても30分程。

ハッと目を覚ますとそこに人形を置いて慌てて部屋から出て行く。

そんなに時間経ってな無いよね?

そんな事を思いながら自宅に帰るのですが、夜また気になってSさんの家に向かってしまう。

昼間にいつまでもウロウロしてると目立つから、この時間ならと、そう思ったんですね。

そして、夜もちょっと遅い時間にSさんの家の前へ。

けど、出入り口の方から見ていても何も分からないし、逆側の川と言うか用水路を挟んだ道の方から見たら何か部屋の様子が見れるかな?

そう思いそちらに行って部屋の窓を見ると丁度部屋の電気が付いたタイミング。

あっ、ベットのある部屋が見えるんだなと、そう思った瞬間にその窓が開き何かが投げ出された!

その何かを見ると・・・私が渡した人形!!

そしてその人形が用水路を流れて行く。どんどんと・・・

Nさんはその人形を追いかけて行く、でもどんどんと流される。

流されて行く人形を追いかけて追いかけて、時々何かに引っ掛かり止まる事もあるけど、なかなか手が届かない。

暗闇で時々見失う事もあるけど、なんとかかんとかその人形を取ろうと追いかけて手を伸ばしてやっと拾い上げる事が出来た。

もうその頃には夜が明ける時間。

拾い上げたその人形を近くの公園で軽く洗い流して、またSさんの家へ。

捨てられたの?私を捨てないでよ!と思いながらSさんの部屋に入る。

もう、時間的にはSさんは学校に出かけた後の時間。

玄関に人形を置いたNさんは疲れて帰宅。




自宅に帰ったNさんは少し休んで、その後の人形が気になりまたSさんの部屋に行く。

すると丁度Sさんが友達を連れて家に帰って来るところ、数分するとその友達が人形を持って部屋を出てきた。

Sさんと友達が何処かへ向かうその姿を追ってNさんもついて行く。

そして見えて来たお寺に入るSさんと友達。

お寺の前で待っていると数十分後にSさんと友達が出て来る。

その二人の手に人形が無い。

Sさんと友達が去った後に、お寺に入って住職さんに

「人形は?さっきの二人が持って来た人形は?」

と尋ねると、

手を合わせて

「ご供養させてもらいました。」

との話。

するとNさんは泣きながらお寺を出て行きました。

その後のNさんはSさんが部屋にいない時は時々部屋に入って泣いて見たり、部屋にSさんがいる時は無言電話を掛けてみたりとおかしな行動と頻繁にとるようになります。

そうして数十日、Sさんは急に引っ越しして行きました。

NさんはSさんを探し、Sさんのイベントに行こうと調べましたがイベントは開催されず。

その後はSさんに会う事が出来なくなりました。

人を好きになる気持ちも応援する気持ちも少し方向が変わると普通では考えられないような行動を起こすもんですね。

今回も私の創作で話をさせてもらいましたが、こんな想像のレベルなんて遥かに超えた事が時々起こりますよね?

事実は小説より奇なりと言いますし。

実際霊的な事よりも人がする事の方が怖いのかも知れません。

ご用心を・・・

それでは今日はこの辺で。

ではまた。




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